週の前半は冬型で、各地で冠雪。東京の高尾山系でも、陣馬山(標高約800m)は雪。しかし、高気圧が東進すると、週末は一転して初秋の陽気。この機会を利用して、妙義星穴岳の偵察(初見)。
11/7(土) 未明に中之岳神社前の県営駐車場。こんな時刻なのに、10台以上が駐車している。薄明の中、6:00頃に出発。神社の階段を登る。山道に入って少し登ると、上に男性2名のパーティー(軽装なのでたぶん星穴岳方面でない)。これが、山中で見た唯一の人影。
すぐに稜線の鞍部(西岳と中之岳のコル)。ここで何本かの立入禁止ロープをまたいで、西岳方面へ進む。道はよく踏まれた登山道。すぐにトラロープのある3mほどの壁になる。ホールドは大きいが、登山靴で磨かれている。用心のため、フラットソールに履き替えるが、問題なく数秒で通過。その先、ちょっとしたナイフリッジを越えて、ふたたび小さな壁。今度はアプローチシューズのまま通過する。登りついた場所が西岳頂上らしい(近くにこれより高いピークがない)。すぐ先に星穴岳が見える(7:00、駐車場からここまで1h)。
ここから星穴岳との鞍部に向けて下り。やや北方向に尾根をたどると、すぐに急降下。泥斜面で足元が定まらないので、ロープを出して少し懸垂。あとは、マーキングをたどって歩くだけ。星穴岳基部にあたると、稜線越しに3mほど登り、フィックスのある南壁を少しトラバース。藪を登ると、岩小屋状のハング下に出る。ここから、南壁の大トラバース。といっても、下が切れているだけで、歩きやすい土の道。最後は、通過不能になるので、5mほど直上して稜線に出る。稜線には懸垂支点があるが、どこに降りるかわからないので、稜線を行けるだけ行って、地形を把握するしかない(懸垂の登り返しは疲れる)。そのまま前進。すぐに岩峰にあたって、北方向に急降下(フィックスもあるが体重をかける可能性があるときは、手の皮より下降器でロープを操作したほうが痛くないので、自分のロープで懸垂)、岩峰基部の北側をトラバースして(歩きやすい道)、次のコルへ。朽ちた指導標がある。ここにも懸垂支点。さらにピークを登ると、これが星穴岳本峰(最高点)らしい(10:00前)。
この先、踏み跡はないが、少し懸垂を交えれば、下まで降りられそう。そうすれば星穴岳稜線の完全縦走になる。しかし、降りてしまうと、むすび穴(大小2つの風穴のうち、大きい方をこう呼ぶらしい)には行けないだろう。少し戻って、指導標のあるコル。ここにある懸垂支点がむすび穴への降り口らしいと見定めて、下降を決意する。北側は絶壁だが、南側は20mほど下に土のテラスが見えている。ロープ1本で足りそうだが、その先もさらに懸垂が必要で支点がない(潅木なし!)などの状況も考えられる。念のため、ロープ2本を連結して懸垂(もちろん南側に)。最後は空中懸垂、といっても、空中懸垂はほんの数メートルだけ。右側を見ると、高さ10mぐらいある大きな風穴。これがむすび穴らしい。
ロープ回収にやや手間取るが、10:30頃、風穴を離れて、下山開始。落ち葉の敷き詰められた樹林帯の斜面。ほとんど歩いて降りられるが、急斜面を避け、尾根状をたどると、随所で尾根が途切れて懸垂を強いられる。ロープが枝にからまり、意外に時間がかかる。最後は、コンクリート吹きつけの擁壁を懸垂で降りて、中之岳神社から1kmほど下の車道に出る(11:50)。
終日快晴。稜線は、ビニールテープのマーキングも多数。結び目のコブを等間隔に作ったフィックスロープを設置したりしているので、よほどのリピーターか、それとも、頻繁に客を同伴するガイドか・・。いずれにしても、予想外によく踏まれている。核心は、むすび穴から下の樹林帯か。下りのほうに時間がかかっている(駐車場から西岳まで1h、その先の稜線に3h、下りに1.5hほど)。それでも、絶好のコンディションで、懸垂以外にはロープを出さなかったので、午前中に終了。(単独、ロープ9mmx50m2本他)