新穂高温泉からの槍ヶ岳単純往復のハイキング。この季節、日帰りが多くなるが、甲斐駒などの山域は、関西方面に転居してから遠くなった。甲信方面より飛越方面のほうが便利なので、新穂高からのコースとする。2ヶ月前に小槍(2011.9.16-9.17)のアプローチとして登っているので、記憶も鮮明、というより、やや退屈だが、冬装備の虫干しもしたい。穂先で氷がついていると懸垂下降が楽なので、ロープも省略したくない。8mmx30m(補助ロープだが短い懸垂はできる)に軽量化して持参。水場凍結のおそれがあるので、水も持参。もちろんアイゼン・ピッケルも必須なので、少し重荷(単独)。
11/12(土) 4:30頃、新穂高の無料駐車場(駐車車両は10台ほど)。満月に近い月(月齢17ぐらい)で、歩きやすい。稜線の小屋は、すべて前週までに営業終了なので、登っている人は少なく、往路で3人ほどに会うだけ。まったくの無雪だが、槍平付近の木道に着霜して歩きにくい。飛騨乗越に近づき、標高2800mを超える頃から、薄雪を踏むようになる。11:30頃、稜線に到着(晴天で無風に近い絶好のコンディション)。大槍の穂先は、まだら状に雪がついている。槍ヶ岳山荘(もちろん営業していない)の前で、アイゼンのほか、念のためにハーネスも装着する。
穂先は、その東側(北鎌尾根からの登路)が(ハシゴ等の整備がなく少し大きなギャップを乗り越えなければならないが)順層で階段登りであるのに対して、西側(槍ヶ岳山荘からの一般路)が逆層で手がかりに乏しいスラブ。そのため、一般路は、着雪すると、西側なので風に飛ばされ雪が薄いこともあって、少し難しくなる。その難しさは、靴底のフリクションに頼れる無雪のときには、ちょっと想像できない。今回は着氷がなく、軟雪だけだったが、筆者のレベルでは、仮に確保してもらっても、困難な場所が何箇所もあって、ハシゴの脚部などの人工物をつかんで、何とか登るありさまである。
下山にも5h以上かかることを考えると、山頂で風景を楽しむ余裕はない。慎重に穂先から降りて(懸垂下降は無用であったが、少し緊張)、13:00頃、飛騨乗越から急いで往路を下る。
飛騨沢上部では、槍ヶ岳山荘の冬季小屋泊まりらしい2人ほどとすれ違う。白出沢を渡り、林道に出る頃に日没。ライトをつけて林道を歩く。ゆっくりと歩いていると、奥穂方面から下山したらしい単独行者に追い抜かれる。18:00頃、真っ暗になってから、新穂高着。下山後に雨。(単独、ロープ8mmx30m他、アイゼン・ピッケル)